リースバックで家を買戻しする際のポイントと注意点とは?
リースバック契約で「買い戻そう」と思ったとき、本当に手続きを始めてよいのかと悩む人もいるでしょう。まだ残存期間があるのならもう少し経ってからのほうがよいかもしれないという考えが生まれてくるのももっともです。そこでこの記事では家を買戻しする際に押さえておきたいポイントを紹介します。
家を買い戻すタイミングが早すぎないか
リースバック契約をした家を買い戻すときにはタイミングの悩みがよく生じます。契約する時点ではたとえば教育費が必要だったから教育ローンを組み、その返済が終わったら負担が軽くなるからお金が溜まって買い戻せるようになるだろうと考える場合があります。
このようなときに返済が終わったから買い戻さなければならないという気持ちで手続きを始めようとしてしまうことがありますが、本当にその後の生活は大丈夫でしょうか。ローンをまた組んで返済していくことになり、固定資産税や都市計画税も納めることになります。
その金額がリースの料金よりも安ければ負担の軽減になるのでよいですが、高くなってしまうことも珍しくありません。もう少し経済的に余裕が生まれてから買い戻したほうがよりよい生活を送れるようになる可能性もあります。
ただ、逆に経済的に余力があるのにリースをしてもらっていると、トータルで支払わなければならない金額は大きくなりがちです。老後まで考えた資産形成を考えると早めに買い戻したほうがよいのは確かでしょう。このような兼ね合いを考えて、本当に今がベストタイミングなのかを見極めるのが肝心です。
買戻しをするメリットがあるのか
もう一つ重要なポイントとして押さえておくとよいのが、買戻しをするメリットが本当にあるのかということです。リースバック契約は原則として買い戻すことになっているものの、必ずしも買い戻さなければならないと義務付けられているわけではありません。
基本的には期間を決めて買い戻せる権利を手に入れているものなので、もしリースバック契約をした家がもう必要ないと思ったら出て行くこともできます。たとえば、期間が78年もあると家族構成が変わったり、ライフスタイルに変化が生じたり、転勤を命じられたりすることもあるでしょう。
その場合には同じ家に住み続けるよりも住み替えをしたほうが住みやすいこともよくあります。買い戻せるくらいの資金の目途が付いているのなら新しい物件を購入したり、賃貸物件を探して住んだりすることも可能でしょう。
また、無理に買い戻そうとしている場合にもこの点には注意しておきましょう。期限が来てしまうから何とか金策をして手続きをしなければならないと思うのはもっともなことです。
しかし、実際には買い戻せないことを不動産会社やオーナーに相談すれば適切な対応を考えてくれます。たとえば賃料を払ってもう少し住み続けるのを許可してくれたり、一定期間の猶予を設けてそれまでにお金が用意できなかったら退去するという形にしてくれたりする場合があります。交渉次第で有利になることすらあるので無理な買戻しは避けるようにしましょう。
再売買の予約か買戻特約付き売買かの違いに注意
契約時点から気にかけておいたほうがよいのが、リースバック契約の種類です。リースバック契約には再売買の予約と買戻特約付き売買の二種類があります。このどちらになっているかで法的な位置づけが違うことから、買戻しのときの対応にも差が生じます。
注意点として挙げられるのが二つあり、一つ目は買い戻すときの物件の金額が異なる点です。買戻特約付き売買をした場合にはその時点で登記をすることになり、いくらで買い戻すのかが定められてしまいます。不動産の価値が変動したとしても、買主が買い取ったときの金額と同じになるというのが原則です。
これに対して再売買の予約の場合には買い戻すタイミングで価格を設定します。高くなる場合も安くなる場合もあるので何ともいえない点ではあるものの、交渉可能というのは大きな点でしょう。
二つ目はリース期間が厳しいかどうかです。再売買の予約の場合には制約がありませんが、特約の場合には10年までになっています。期間の柔軟性があるという点では再売買の予約のほうが困ったときに交渉できるので優れています。このようにして見ると基本的には再売買の予約にしておくのが無難だと考えられるでしょう。
リースバック契約をした家の買戻しを考えたときには本当に今がベストタイミングなのかをよく考えましょう。もう少しリースしてもらっていたほうがよかったという場合もあれば、すぐに買い戻すべきという場合もあります。経済状況を将来まで考えて決めるのが大切です。場合によっては買い戻さないという選択肢も考えるのが重要で、とくにお金の調達が厳しいのに無理をして買い戻すのは苦しい生活を余儀なくされかねないので注意しましょう。