リースバックを行うメリットとは?デメリットも合わせてチェックしよう!
入院や老後の生活などさまざまな理由で、まとまった資金が必要となり、自宅を売る方法として「リースバック」に興味を持っている方も多いでしょう。そんな方に、この記事ではリースバックのメリット・デメリットの両方を紹介します。リースバックを行うべきかどうかの判断材料にしていただければ幸いです。
リースバックの具体的な仕組みとは?
まずはリースバックの仕組みについて正しく理解しておきましょう。
■リースバックの仕組み
リースバックとは、自分の所有している家(不動産)を運営会社に売却し、同時にその会社と賃貸契約を結ぶことで、売却後も同じ家に住み続けられる不動産の売却方法です。
一般的に家を売却したら、家の所有権は売却先の運営会社にあるため、同じ家に住み続けることはできません。しかし、リースバックの場合は、所有権を持つ運営会社に毎月「家賃」という形で支払いを行えば、売却後も同じ家に住み続けることができるのです。
リースバックは、不動産売却と賃貸契約がセットになったサービスと理解してもらってよいでしょう。具体的には以下のようなステップを踏みます。
①自宅をリースバック運営会社へ売却する
②リースバック運営会社から買取代金を一括で受け取る
③リースバック運営会社へ毎月の家賃を支払い、売却した家にそのまま住み続ける
■売却した家を取り戻すこともできる
リースバックでは「買戻し特約」という売却した家を買い戻せる権利を付けることもできます。「買い戻し特約」を付けた場合、一定期間、運営会社はその家を第三者へ売却することはできません。もとの所有者が運営会社へ一定期間内に買い戻し金額などを支払うことで、買い戻しができる仕組みとなっています。
リースバックを行うメリット
通常の不動産売却と違い、リースバックにはさまざまなメリットがあります。
■短期間でまとまった資金が手に入る
リースバックなら、自宅の買取代金を一括で受け取ることができるので、まとまった資金を手に入れることができるようです。
また、一般的な自宅の売却の場合、新たな買い手が出てくるまで待つ必要があり、買取金額の受け取りまでに早くても数か月はかかります。しかし、リースバックの場合、入金までにかかる期間は、2週間~1カ月程度といわれており、一般的な売却と比べるとかなり早く入金されます。
リースバックなら短期間でまとまった資金が調達できるようです。
■売却後も同じ家に住み続けられる
自宅の売却後も同じ家に住み続けられるので、長年住み慣れた家を離れたくないという人には嬉しいポイントです。また、お子さんのいるご家庭なら子どもの学校区域などを気にする必要もなく、近所の方から引っ越しの理由を詮索される心配もありません。
売却後も生活様式を大きく変えなくてよいのは心身ともにストレスが少ないでしょう。ただし、契約内容によっては、ずっと住み続けられるというわけではないため、注意が必要です。
■家を維持するコストを軽減できる
家を所有していれば、住宅ローンとは別に、固定資産税や火災保険、建物の修繕費などのコストがかかってきます。しかし、リースバックを行えば、これらの費用の負担は家の所有者である運営会社が請け負うこととなります。
したがって、毎月の家賃は発生しますが、家を維持するためのコストが軽減されるようです。また、リースバック後は、一定額の家賃を支払えばよいので、毎月の支出が一定になり家計の管理もしやすいでしょう。
リースバックを行うデメリット
リースバックには嬉しいメリットもありましたが、注意してほしいデメリットもいくつかあります。
■リースバックによる売却価格は相場より安くなりやすい
リースバックで不動産を売却した場合、その売却価格は市場価格より安くなりやすい傾向があります。理由としては、売り主の家賃滞納リスクを考慮しているということや、売り主の買い戻しの希望に応じられるよう第三者が売買契約をできないように制約をかけていること、などが考えられるでしょう。
■自宅を自由に改装できない
リースバックを行うと、自宅の所有権は運営会社へ移ります。そのため、自分が所有権を持っているときのように、自宅を自由に改装することや、リフォームなどを簡単にはできないことに注意しましょう。
将来、家族構成が変わる予定で増築などを考えている人、家へのこだわりが強く自分の思いどおりに家を改装したい人などは、リースバックでよいのかよく検討しましょう。
■ずっと住み続けられるとは限らない
リースバックの多くは、自宅の売却後、運営会社と賃貸契約期間が定められている「定期借家契約」を結んで、同じ家に住むことになります。そのため、将来ずっと同じ家に住み続けられることは保証されていません。
運営会社と借主の合意があれば、賃貸契約期間の延長も可能ですが、運営会社の都合により期間の延長ができない場合もあります。しかし、運営会社によっては、基本的に同じ家に住み続けられる「普通借家契約」を結べるところもあります。長く住み続けたい人は「普通借家契約」ができる運営会社を探してみるとよいでしょう。
自宅の売却方法には、一般的な不動産の売却の他にも、今回紹介したリースバックという方法もあります。どちらにもメリット・デメリットがありますが、とくにリースバックの場合は、ずっと同じ家に住み続けるつもりか、引っ越しをするのか、という将来的にどうしたいかについても考えておくことが大切です。不動産会社などにも相談しながら、慎重に判断しましょう。