リースバックの審査に落ちてしまう理由について解説!
持ち家などを売却した後で賃貸借契約を結び、これまでのように暮らし続けられる方法がリースバックです。スピーディーに資金を調達できる方法として知られていますが、利用するためには審査にパスしなければいけません。しかし、中には審査に落ちてしまう人もいるでしょう。今回はリースバックの審査に落ちてしまう主な理由について解説します。
リースバックの具体的な審査基準
リースバックを利用するためには、審査にパスする必要があります。一般的な融資やローンと比べると、審査基準は厳しくないのが特徴です。まずは主な審査基準を見ていきましょう。
■審査基準①
共有者全員の同意を得られている
1つ目は共有者全員の同意を得られていることです。複数人で物件を共有している場合、たとえ物件に住んでいなくても、共有者全員の同意がなければ売却はできません。何かしらの事情で連絡が取れない場合は、不動産会社が仲介して承諾を得られるように対処してくれます。
■審査基準②
物件に重大な瑕疵がない
物件に重大な瑕疵がないことも、リースバックの審査基準の一つです。大きな傷や欠損があるほか、過去に自殺や他殺、事故死、孤独死、火災などが発生した事故物件の場合、審査に通らない可能性が高まるでしょう。仮に審査にパスしても、買取価格が安くなったり、賃貸借契約を結んだ後の家賃が高く設定されたりするかもしれません。また、違法建築物でないことも、基準に含まれます。
■審査基準③
家賃の支払い能力がある
最後の審査基準は、家賃の支払い能力があることです。リースバック後に賃貸借契約を結ぶためには、家賃保証会社の保証を求められるのが一般的。保証会社の審査に通るためには、毎月の家賃を支払えるだけの安定した収入が必要です。
リースバックの審査に落ちてしまう理由
さほど厳しくはないリースバックの審査ですが、物件や資産状況によっては落ちてしまうケースもあるでしょう。主な理由は次の3つです。
■物件自体が売却しにくい
まずは物件自体が売却しにくい特徴を持っていることです。接道義務違反や建ぺい率オーバー、容積率オーバーなど、違法建築や再建築不可物件などが該当します。買い戻し特約によって買い戻してもらう分にはよいですが、もし買い戻しがされなかった場合、リースバック会社は物件をほかの買い手へ売却しなければいけません。しかし、売却しにくい物件のため、リースバックによる買い取りに消極的になるのです。
■対象エリア外の物件
リースバック会社の中には、物件売買ができる対象エリアを設けているところがあります。そのため、対象エリア外の物件を売却しようと思っても、断られることもあるでしょう。余計な手間を省くためにも、事前に対象エリアを確認しておくことが大切です。
■家賃保証会社の審査に通らなかった
前述したように、リースバックの多くでは家賃保証会社の保証が求められます。毎月の家賃を支払うための安定した収入がない場合、家賃保証会社の審査に通らない可能性が出てくるでしょう。審査にパスしなければ、当然のことながらリースバック会社の審査にも落ちる可能性が高まります。
リースバックの審査を受ける際に注意するべきポイント
リースバックの審査を受ける際は、いくつか注意すべきポイントがあります。主なポイントを全部で3つ見ていきましょう。
■ポイント①
ローン残債をチェックする
住宅ローンが残っている場合は、ローン残債をチェックしておきましょう。リースバックでは、基本的に売却価格が残債を上回っていないと利用できません。ただし、売却価格が上回っていなくても、手元にある現金で差額を補填できる場合は大丈夫です。残債は借り入れをしている金融機関へ問い合わせて確認してください。
■ポイント②
買い戻し特約の内容を確認する
先で述べたように、買い戻し特約がある場合、売却した物件を将来的に買い戻せる余地が生まれます。ただし、特約には期限や価格といった条件が課されているため、詳細をしっかり確認しておきましょう。契約内容に違反した場合は、買い戻せる権利を失ってしまう可能性があります。
■ポイント③
リースバック後の家賃をシミュレーションしてみる
3つ目はリースバック後の家賃をシミュレーションしてみることです。リースバックによる1か月あたりの家賃相場は“買取価格×7~13%程度の利回り÷12か月”で求められます。たとえば、買取価格が1,000万円で利回りが10%の場合“1,000万円×10%÷12か月”の計算式で、1か月あたりの家賃相場は8万3,333円と算出できます。売却前に月々の家賃をシミュレーションして、実際に払い続けられるかどうかを検討してみましょう。
リースバックは一般的な融資やローンよりも審査基準が厳しくないものの、物件や資産状況によっては落ちてしまうことも充分に考えられます。“物件自体が売却しにくい”“対象エリア外の物件”“家賃保証会社の審査に通らなかった”といった状況の場合、審査に落ちる可能性が高まるでしょう。